礼拝

使徒言行録 2章1-4節 『聖霊に満たされて』 牧師 武林真智子

この箇所(使徒2:1-4 )は、ペンテコステ礼拝になると朗読される箇所です。復活されてから40日にわたって神の国を弟子たちに語られた主イエスは、父が約束されたものを待ちなさいと言われ、天に上げられていったのでした。心を合わせてひたすら祈っている弟子たちに聖霊が降った出来事が記されています。

聖霊を受けた弟子たちの変化については周囲の人々が証言しています。しかし弟子たち本人にどのようなことが及んでいったのかは、それぞれの表現が違っていただろうと想像されます。私たちがこの箇所から受け止めるべきキーワードは「風」、「音」、そして「炎」です。そしてそのどれもが不思議な体験の中で感じ取ったものであろうと思えます。

そこにいた弟子たちの最も大きな変化は、霊が語らせるままに他国の言葉で語りだしたということでした。過越祭から五旬祭までの50日間をエルサレムで滞在していた旅人たちは、それぞれの故郷(ふるさと)の言葉で神の偉大な働きを聴くことになりました。バベルの地で人間の傲慢な罪を痛み、人々を散らしていった(創世記11:9)神が、主イエスの名による聖霊の働きによって神の言葉の一致を成し遂げられた出来事なのです。

誰かが自ら「イエスは主である」と告白することも、苦難の中でも希望を持ち続けることも、そして互いに愛し合い、仕え合うことができることも、そこにいる私たちの努力ではなく、神から与えられた聖霊による賜物でしかないのです。聖霊によってバプテスマを受け、心を一つにしてパンを裂き、喜びと真心をもって食事を共にし、神を賛美する共同体は、民衆全体から好意を寄せられた(2:16)と聖書は記します。私たちがこのペンテコステ礼拝において、教会の誕生日を共にお祝いすることができるのも聖霊の働きと言えるでしょう。

 

TOP