礼拝

民数記13章25-33節 『偵察した地』 牧師 武林真智子

荒れ野を旅する民は、出エジプトの際にヨセフの骨を携えていたと聖書は記します(出13:19)。信仰の父アブラハムが最初の手に入れた土地、カナンの地にあるマムレ、マクラベの洞窟に妻サラ、アブラハムと歴代の先祖が葬られていた場所に葬るためであったと言います。彼らは、その地を神が約束された地として旅の目的地としました。主なる神はその地を豊かで広い地、乳と蜜の流れる地、そしてカナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、さらにエブス人の住む所(出3:8)と示されました。

バランの荒れ野のカデシュに到着すると、主なる神は「人を遣わしてカナンの地を偵察させなさい」とモーセに告げました。十二部族の代表たちはモーセの指示に従って、①住む民が強いか弱いか、人数は多いか少ないか、②彼らの住む地が良いか悪いか、天幕か城壁があるか、③土地は肥えているか痩せているか、を探りに出ていきました。

四十日後に、彼らはモーセとアロンの待つ場所へと帰ってきました。彼らは、エジュコルの谷から葡萄のついた枝を切り取り、柘榴と無花果も携えて、その場所が、乳と蜜の流れる地であることを報告しました。しかし、そこに住む民は強く、町は城壁に囲まれ、とても大きいこと、また様々な民族が居住していることを説明したのでした。

誰もが踏み込んだこともない場所に出かけていくとなると緊張し、身を守ろうとします。モーセに偵察を命じられた十二部族の代表たちも、同様であったことでしょう。 私たちも見知らぬ相手の「強さ」や「大きさ」によって、自分たちの行動や言動に影響を受けます。しかし、主なる神の導きを信じることでしか得られない和解と平安があるのです。この混沌とした中だからこそ、信じて進みたいものです。

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