天使からの働きかけによって、少女マリアはようやく「私は主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように」(1:38)と、言うことができました。そして天使が去っていった後に、急いでエリザベツに会いに出かけていきます。不安がなくなったわけでもなく、どこか確認したい思いがあったことでしょう。親類エリザベトの懐妊をお祝いすることと、自分の身に起きた出来事の報告が目的でした。
この山里のユダの町で、バプテスマのヨハネと主イエスが初めて出会うのです。著者ルカは胎内にいる子にも意志が与えられ、共に喜び踊る場面を描きます。聖霊に満たされてエリザベツは声高らかに歌います。「主がおっしゃったことは、必ず実現すると信じた方はなんと幸いでしょう(1:45)」 マリアの賛歌(1:46-55)で歌われるマグニフィカトは、主を崇め賛美する歌です。その内容は、少女マリアだけで歌うには難しい言葉が重ねられています。まさに主イエスがこの世に遣わされた使命が総括されているような賛歌です。
そこにエリザベツ、胎内にいるバプテスマのヨハネ、マリア、胎内にいる主イエスの四重奏によって奏でられる賛歌として受け止めるとき、主なる神の壮大な計画が準備され、私たちに届けられる意義が迫ってきます。
その憐れみは代々に限りなく 主を畏れる者に及びます。
主はその腕で力を振るい 思い上がる者を打ち散らし
権力ある者をその座から引き降ろし 身分の低い者を高く上げ
飢えた人を良い物で満たし 富める者を空腹のまま追い返されます。
アドベントの蝋燭が3本灯りました。「ひかり」「きぼう」「あい」と一つひとつの蝋燭の意味を受けて、大切な誰かとクリスマスをお祝いしましょう。